第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない
「……………あっつい!」
冷房が完全効いてる客室でも、頭まで布団を被ってれば汗もかくってもんで。
あまりの暑さにさすがに目が覚めた。
「着替える?」
あたしが起きたことに気付くと。
ソファに腰掛けて読書でもしていたらしい翔琉は。
涼しい顔して、ベッドを軋ませた。
体を起こすくらいまでは体力が回復したあたしの至近距離で。
翔琉のおでこがあたしのそれにくっつくと。
更に体温をあげる体。
「あれ、まだ少しある?」
いや。
だって。
「なんで眼鏡?」
眼鏡姿の翔琉、はじめてみるし。
なんてゆーか。
なんてゆーか。
メチャメチャかっこよくて。
そりゃ、体温上がりますって。
「ああ、これ?うん、勉強中だけかけてるんだ」
あたしの問いかけに、自分自身眼鏡かけてることに気付かなかったような手つきで、眼鏡をはずすとベッドの端に置いた。
「目、悪かったっけ?」
「いや?」
「だよね」
「研究中、目の色変わると困るから。フィルターがわり」
「そうなんだ」
たまに一緒に講義受けてても、眼鏡かけてるの見たことないけどな。
興奮すると変わるんだっけ。
自分自身興味ある事柄限定って、ことなのかな。
てことは。
同じ研究班の人は、毎日見てるってことだよね。
毎日。
彼女のあたしでさえ、今日はじめて見たのに。
「ねぇ」
「ん?」
「研究班に女の人、何人くらいいるの?」
「………………は?」