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Deep Blood ーラブヴァンプー

第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない


「反省、してますか?翔琉さん?」
「してない」

あっけらかんといってのけるヴァンパイアに、体が自由ならカーテン全開にしてやるのにっ、くらいの怒りは、沸々と煮えたぎってもいいと思う。


「たから、凛ちゃんももうあんなこと言っちゃだめだよ?」

凛ちゃんこそ反省してね?なんて頭を撫でる右手を思いきり払いのけた。
はぁ、なんてわざとらしいため息を漏らしながら。
それでも翔琉は頭を撫で付ける手を止めない。



「あんまりかわいいと、布団の中潜り込んじゃうよ?」



待って。
ちょっと待って?
どこにかわいさあった?
あたし、かなり憤慨してるはずなんだけど。
かなり怒り爆発してるんだけど。
余計熱上がるんだけど?


「おやすみ、凛」


暑いのには我慢して、布団を頭までかぶれば。
翔琉は全然動じずに今度は布団越しに撫でてきた。
まるで猫か犬でも愛でるように、丁寧に。
優しく。
いくら悪態ついてたって。
翔琉のこれには今まで勝ったことない。
いつもいつも。
拗ねた子供が泣きつかれてすぅ、と眠ってしまうように。
いつのまにか、何に対して怒っていたのかさえ忘れて、撫で付ける手の心地よさに誘われるように、重くなる瞼を閉じていったんだ。

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