第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない
「………………は?」
いや、いやいやいや。
「ちょっと、まって?落ち着こう?」
ぐずぐずに溶かされた体の熱が一気に冷えた音がしたよ?
今。
「待たない、って、言ったはずだけど」
怖いよ。
赤い目の翔琉さん、ちょっと怖いってば。
あたし、今さっきまで確か目の前のこの人に殺されかけなかったっけ。
そんな疲労困憊の彼女はさ、労うべきじゃないの?
「凛」
━━━━━━━っっ。
どーしよう。
サディスティックに破顔する真っ赤な瞳した翔琉さん、
ちょっと、かっこいい、かも。
フェロモン、的な意味で。
………絶対、エロすぎるんだけど。
「凛が、悪いんだよ?」
「なに」
「甘い匂い」
「?」
「こんな美味しそうな匂い、我慢出来るわけないよね?」
ドキン
普段から、翔琉ってばかっこいい、と思うの。
まぁ、最近ちょっと、かわいいも入ってるんだけど。
それが。
それがさ。
なんだろ。
目の色変わるとなんか、妙に、エロくって。
仕草ひとつひとつが、ドキドキ、する。
「ぁ、の翔琉さん?」
「凛」
━━━━━ドクンっ
駄目だ。
この、瞳。
逆らえない。