• テキストサイズ

Deep Blood ーラブヴァンプー

第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない


ドクン  ドクン  ドクン




禁断症状。
わかってる。
所詮、ヴァンパイアなんて人間の血液がなければ生きていけないのだ。
当たり前だった。
凛に、出逢うまでは。
人間の血液を貰うのは、当然だと。
だけど凛は、彼女は多分悲しがる。
当然のようにもらっていた血液は、凛にとっては犠牲なのだ。
人間を傷付けることに、なってしまうのだ。




「………なら、乗りきれよ」
「言われなくても」



忌々しく捨てセリフを跳ばす咲良に、残る意地で笑ってみせる。
多分冷や汗も、呼吸も、すべてバレてる。
それでも意地で、笑って見せた。




「………まずいな、そろそろ」

この瞳じゃ、人前に出れない。
凛を連れ戻す選択肢は断たれた。
携帯も、着替えと一緒にロッカーの中。
あとは。
凛に自分を見付けて貰うしかない。



「凛」



ドクン    ドクン    ドクン







そろそろ日が暮れる。
この岩場も限界だな。
人がいなくなったら安全な場所にでも移動するか。



にしても。
1ヶ月くらいなら余裕で血液なんて飲まないでいられたのに。
1日どころか数時間もたないなんて。
相当凛に入れ込んだもんだな、なんて自嘲的な笑みが零れた。
それとも。
凛に血をあげたせいで、血液が足りてないのか?
だけどまだだめだ。
まだ、凛の中から俺の血液を抜くわけにいかない。
そんなことをしたら凛は…………。






「翔琉」



/ 79ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp