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Deep Blood ーラブヴァンプー

第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない





「凜のやつ、簡単に他の男に触らせやがって」




スイカ割りをしている柳田班の男連中は、必要以上に凛に触りまくっている気がする。
凛は、かわいい。
美人、というよりもかわいい、が適切だろう。
真っ黒に染まったストレートヘアは、肩のところでキレイに揃えられている。
くるくると表情をかえる大きな瞳は、必ず目を見て話す凛にとっては仇でしかない。
なぜなら見つめられていると勘違いする男があとを立たないのだ。
できることならどこかに閉じ込めて、誰の目にも触れないようにしたい。
凛の世界にいるのは、俺だけで充分だ。




凛だけが、俺を満たしてくれる。







凛。



凛が、欲しい。





………………………ドクン






自分の跳ねた心臓に、体中の血液が暴れだしたのを感じた。


口渇。

自分の瞳の色が変わるのを自覚して。
急いで人目のつかない岩場に移動する。






「………咲良」





神出鬼没なこの男。
ほんと嫌な時に現れるな、いつもいつも。
まぁ、所謂俺の監視役、なんだから仕方ない。
これがこいつの仕事なのだ。




「いつから飲んでない?」
「お前には、関係ない」
「非常用。飲むか?」


輸血用の、血液。
バサリと岩場から落とされたのは紛れもなくそれで。


「いらない」
「翔琉」
「ほっとけ、よ。どっかいけ、お前うるさい」



こんな日射し、だし。
体力の消耗が激しくて。
いつもよりたくさん体は血液を要求してくる。


喉が、渇く。



「………強情だな、ほんと」
「こんくらい、なんとも……っ、ない」



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