第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない
「そんなこと言ってもさ?満更でもないよね、いつも凛」
「えぇぇっっ!全力でいやがってるよね?」
「ほんとに嫌なら逃げればいいじゃん。二宮、凛が本気で嫌がることはしないでしょ」
「…………………」
ぐ、っと。
血液を沸騰させながら、出てこない言葉は肯定にほど近い。
「高根沢、三澤」
イルカと真ん丸浮き輪に跨がってプカプカ浮いてるあたしたちに近付いてくるのは、同じゼミの同級生。
「なにー?」
「スイカ割りする?」
「「する!」」
スイカ割りなんて。
子供の頃以来だよっ?
なんなの、イベント感満載すぎて。
テンション高まるっ
近くの岩場に移動して。
地味に順番待ちしながらみんなでスイカ割り。
けっこう地味気なこの遊び。
考えた人って絶対子供だよね?
だって普通考えなくない?
スイカ高いよ?
けっこうな値段、するよ?
それを割っちゃおうなんて、普通考えないよね?
もちろん割ったスイカはみんなで美味しく頂きました。
「夏、っていったらスイカだね」
「だね」
「朝は夏といえば海、とか叫んでなかった」
「あれ、聞こえてた?」
「ふたりともあんな大きな声で叫んだらみんなに聞こえるよー?」
「海なんて、テンション上がるしかないじゃん」
「凛は彼氏と一緒だもんねー?」
「テンションも上がるよねー」
いやいや、スイカの美味しさのが、テンション上がりますっ
だいたい、勝手に着いてきただけだし。