第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない
とりあえず持ってたかき氷で冷却。
「なにこれ、なんでこんなんなんの?いつも半袖で日中歩いてるよね。」
「まぁ、少しくらいの陽射しじゃ大丈夫だよ」
「……………もしかして研究棟にこもってたのって」
「そうだよ」
ヴァンパイアは日差しに弱い、は、あながち嘘ではなかったようだ。
「にしても、痛そう………………」
「大丈夫だよ」
にっこり笑う翔琉の目が深紅に変わったと思ったら、火傷もキレイさっぱり治っていた。
「……………ちょっと翔琉!」
「大丈夫」
誰かに見られたらどーすんの、なんて必死で火傷を隠すあたしにはお構いなしに。
あはは、なんて笑ってる翔琉に。
実はばらしたいの?なんて疑問にも思ってしまう。
「………………それ、なんでいつも変わるの?」
「うん?」
「紅い目」
「ああ、変わってる自覚はないんだけどね。興奮したりすると、変わるみたい」
「そうなんだ」
「…………………怖い?」
「ううん、キレイ」
体育座りの上に無造作に伸ばした腕に耳をピタッとくっつけて。
隣の翔琉に笑いかけた。