第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない
「まぁでも」
さっさと食べ終わった自分のかき氷を置いて、変わりにあたしのマンゴーかき氷をパクっと大きく一口食べてから。
「日焼けは嫌かな」
確かに。
翔琉が焼けてるのは見たことないかも。
今日だって。
長めのハーパンに、長袖のラッシュガード。
最近は男の人もラッシュガードを着ているのは珍しくないけど、長袖のラッシュガードを着ているのは、少ないかもしれない。
「どーなるの?」
首をかしげるあたしに少し苦笑して。
翔琉は徐にパラソルの下から右手をだした。
ラッシュガードを捲ると。
血管の浮き出るたくましい右腕が、視界にうつりこむ。
「?」
「見てて」
言われるとーりに右腕をじっと見ていても、特になんも変化するわけではなくて。
半分くらいあったマンゴーが溶け出した頃。
翔琉は右手をパラソルの下に戻した。
「………………………嘘」
目の前に差し出された右腕は。
真っ赤に腫れ上がり、水脹れができたそこからは、ジクジクと熱が生まれている。
「すごい火傷じゃん」
「うん」
「うん、て、痛くないの?」
「痛いに決まってるでしょ」