第3章 運命なんて、選んだ選択肢のひとつの結果でしかない
日焼け止めはたくさん塗りたくったけど。
確かにこの日差しは凶器だ。
ラッシュガードは必須アイテムかもしれない。
「未琴さんが男に興味あるとは思わなかったな」
「どーゆー意味」
「いつもいつも凜ちゃんと一緒だから、俺てっきり未琴さんは凜ちゃん狙いかと」
「………だから、どーゆー意味よ」
「未琴さんのタイプって歳上なんだ」
「はぁ?」
「歳上っ?え、何、咲ちゃん先生っ!?」
「旦那の戯言にいちいち乗るなよ凛」
「ええ?未琴なんで言ってくれなかったの?あたし、協力するから!」
「………あたしの話、聞いてた?」
おっきく盛大にため息を吐き出して。
さっきまでのテンションを大幅ダウンしたまま、未琴はそれでも浮き輪を抱えて海へと歩いて行った。
「ねぇ、翔琉」
「ん?」
未琴が他の班のメンバーとビーチバレーを決め込んでる間。
パラソルの下でかき氷休憩。
「この日差し、大丈夫なの?」
けっこう本気で心配してはみたんだけど。
翔琉は驚いたように目を丸くして。
そしてすぐに笑いながら「溶けないから大丈夫だよ」って。
ほんとに可笑しそうに笑った。
だってヴァンパイアが日差しに弱い、って。
けっこう有名な話じゃない?