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三十路教師と女子高生。

第2章 4月。担任とアイツと初対面と。



ガラリと入り口を開ければ、話をしていた数人がばたばたと指定された席に座る。
それを見ながら俺は教壇の前に立った。

「えーっと、まずは入学おめでとう。
担任の山岡 正嗣だ。去年担任してたクラスではマサちゃんって呼ばれてた。」

一部の生徒からくすりと笑い声。

「さて、早速出席とるぞ。名前呼んだら返事。
もし名前間違ってたら訂正よろしく。
青木、青木郁也。」

俺が名前を呼べば呼ばれたやつが返事をする。

何人も繰り返した後、俺はアイツ、橘の名前を呼んだ。

「橘 立夏。」

「………はい。」

眼鏡、野暮ったい前髪。
肩より少し長めの髪の毛は、流行りのボブ…というより座敷わらしのよう。
制服に着られているようなぶかりとしたジャケットは貰い物なのかもしれない。


そんな外見の観察をしながら俺は他の生徒の名前を呼んだ。



「はい、そんじゃあ今から入学式だから便所行って出席番号順に並べ。
あと女子、スカートは膝丈、男子のズボンは腰履きは無しな。」

出席簿をぱんぱんと叩いて鳴らし教室を見渡すと、一部が制服を直している。
今回も問題児が多そうだなと、俺は密かにため息を吐いたのだった。
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