第2章 逆に私だけなのでは?!
あれからしばらく経つけど 何もない。
あぁ、ホントここ最近、めちゃくちゃ寝不足だよ。顔洗っても、歯を磨いても、髪とかしても、全然!頭がシャキッとしない。
洗面所の鏡にうつる自分の姿は顔色が悪くって目の下にはクマが色濃く出ていた。
「さいあく……」
寝れるようになったら消えるかな…?
やだな…
揉み込むようにクマを撫でてると、洗面所の扉がガラリと開いた。
「ふぁあぁぁあ…ねむ…」
ヨレヨレのスウェット。豪快に鶏冠と化した髪の毛。
「おはよう。」
「おん…」
朝の挨拶……これだけ………。
え?!!!おかしない?!
兄妹としての距離感、壁をぶち壊して、真剣な顔で、「意識してるのは、俺だけか?」だなんて聞いといて、盛大に爆弾かましてきたくせに、ここ大体、一週間ぐらいたつけど
驚くほど、何もない。
いや、何かあってほしいわけではないけれど。
あそこまで、言ってるなら、意識している仕草は少し欲しい。
私だって
私だって…
私だけ…ギクシャクとぎこちなくって
意識してて…
バカみたいじゃん……
チラリと隣にいる兄を盗み見ようとすると。
向こうも見ていたようで、完璧に視線が重なってしまった。
「なに、見てんのよ!」
「はんっw見てねーよ自意識過剰かw」
本当に腹立つ!!!
「っつか邪魔なんだけど…用事が終わったなら出っていてくれませんかねー」
「いえいえ、まだまだ、準備は出来てないのでごぞいますのよ、お兄さま。そちらこそ、毎日ダイナミックに寝癖そのままにして身だしなみなんて気にしていないのでしょーが、鏡占領しても無駄なのに、ど真ん中に立たないでもらえますー?」
鉄朗 はしばらく私の顔を見ると、ハンッと鼻で笑い飛ばした。
「お前だって、髪の毛 キレーにしたところで大してなんも変わりゃーしねーよ」
歯ブラシをくわえながら人を小馬鹿にしたような笑いにイラッときて思いっきり足の甲を踏みつけた。
「い゛!!!」