• テキストサイズ

【黒子のバスケ/短編集】魔法が解けないうちに

第6章 夢にも思わない*宮地清志







友達の話が面白かったのか極上の笑顔を見せる女神をシャターで収めていると、不意に女神の視線が入る。



ヤベェ、バレた。


それを察知した瞬間ポケットにしまうも、時すでに遅し。
女神は完全に俺をロックオンしてこちらに向かってくる。


女神に三秒以上見つめられるなんて、もしかして俺は今日死ぬのか?


女神は俺の前に立つと、そんなに高くない身長から俺たちの間に三十センチ以上の身長差ができる。
そうなると、必然的に女神は上目遣いなわけで。
そんなに可愛い姿を無防備に見せるところも愛おしい。


頭ではそんなことを考えを滾らせながらも、実際はとんでもなくテンパっていて俺も女神から視線を外すことができない。
いや、外せと言われても外すつもりはないが。




「め、女神っ、これは違うんだ。その、訳があって、」

「宮地君。」

「な、何だ?」

「携帯貸して?」




今の俺にとってその言葉は死刑宣告よりもショッキングな言葉である。
一気に急降下していく体温と共に、どこからか熱い涙がこみ上げてきた。


本当は絶対に渡したくない。
俺の今まで溜めてきた努力を一瞬で消されてしまうなんて、俺には耐えられない。
だが、女神の言う事に逆らうなど俺にはできない。
むしろ女神の手で削除されるなら写真達も本望だろう。





/ 44ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp