第6章 夢にも思わない*宮地清志
「なぁ、宮地。お前の発言がストーカーの一歩手前…、いやもうその領域に足を突っ込んでいることに気付いてるか?」
「なに!!?女神のストーカー!?誰だそれ、ぶっ殺す!!」
「お前だよ、宮地。」
いつからお前は言葉が通じなくなってしまったんだ…、と目頭を押さえた大坪に、木村がそっと肩に手を置いて、元々だろ?と神妙な面持ちで言っていた。
だが、俺は角刈りと坊主の馴れ合いなど全くもって興味はない。
そんなことよりも可愛い女神の方が大事だ。
女子達に囲まれて楽しそうに笑う女神はもはや天使の域を超えている。
俺には女神にだけ後光が差して見える。眼福だ。
俺は鞄からスマホを取り出しシャター音が鳴らないカメラで女神を連写する。
二人が完全に引いたような目で見てくるが問題ない。
今日もこうして俺のスマホの女神フォルダが潤った。そして、俺の心も潤った。
素晴らしいことである。