第8章 「フキノトウ/フキ そしてツクシ」
......これは結構楽かも。
茎を環状に取り巻くはかまを
一つずつ取り進まねばならなかった
ツクシに比べると、
上から下まで一気に皮が剥げるだけ
作業に勢いもつく。二人がかりだと更に。
「煮物.....は半分でいいか」
リヴァイはフキを大雑把に半分に分け、
片方を煮物サイズに揃えて切り、
片方を小口切りにした。
小口切りのほうはタッパーに
収めてよけておく。
煮物用は小鍋に目分量でダシを決め、
指先の味見だけで納得したらしい。
そのダシでフキを煮付け始めた。
『すごいよねー、計量カップや
スプーンも使わないのにどうして
一発で味が決まるの?』
「慣れだ。さやかもやれば
できるようになるぞ。」
『えー、嘘だ、
レシピもないのに無理ー』
どれだけやれば〝慣れ〟と
あっさり答えられるようになるのか
さやかには分からない。
『雄株のほうどうするの?』
「味噌漬けだな」
言いつつリヴァイは
雄株の茎に残った葉を取って
全部同じ長さに切りそろえた。
『スジとかアクとかいいの?』
「ああ、フキノトウはな。
アクは主に花だしな。
スジもそんなにキツくねえぞ。」