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植物図鑑【リヴァイ/進撃の巨人】

第8章 「フキノトウ/フキ そしてツクシ」





『で、でも犬のオシッコとか
かかってたりしない?!』




「俺もそれは同感だ。
だが、洗えば済むことだ。


畑だって露地栽培なら
犬とか猫がクソかけてないとは
誰も言い切れねえぞ。


二十四時間監視してる訳じゃねえしな」





リヴァイはしゃがみ込んで
早速フキをプツプツ摘んでいる。





「農薬が残ってたり
劇薬混入してたりするより
ずっと体にはいいだろ」





それはそれで理屈のような。





「それに自分が採ったのが
その日のメシになるって
狩っぽくて面白えだろ。」





それも......確かに。




何となく納得させられて、
さやかはリヴァイのそばに
しゃがみ込んだ。





『フキノトウ採っていい?』





あどけなく丸まっちい浅緑の
フキノトウは、さっきから手に
取りたくて仕方がなかった。




かわいい花を
摘みたくなる感覚と似ている。




食べられるという
オマケ付きなら尚更だ。





「結構苦味強くて
料(りよう)るの面倒だから
少しにしとけ。小さめのやつな。」





言われて一つプツりと摘む。




恐る恐る匂いを嗅ぐが、
湿った土の匂いしかしない。




......ので、弾みがついた。




きれいなものを選んで五つほど摘み、
まだまだ生えている丸まっちい
浅緑を名残惜しく眺める。





『......もうちょっと摘んじゃ駄目?』





リヴァイに摘んだ五つを
見せながらお伺い立てる。




伸びた雄株を摘んでいたリヴァイは、
開いた花をちぎって捨てながら苦笑した。


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