第3章 「二人の楽しい計画」
そして自宅に戻り、
リヴァイの服置き場は
寝室の片隅になった。
「さやかが寝てるときに
入ることになるかもしれんがいいのか」
『いいよ、どうせこっちの部屋に
一歩も入らずに同居なんて無理よ』
さやかが
事もなげに言ってのけると
それもそうだと納得したのか、
リヴァイは鴨居に
ハンガーラックを取り付けた。
木ねじが二つ、十分とかからない。
買ってきたものと自前のもの、
着替えを即席作りの
収納スペースにしまう。
ハンガーは余っているものを
さやかが提供した。
『汚れ物、洗濯したら?』
「ああ、そうだな」
思い出したようにリヴァイが
さやかを振り向いた。
「洗濯も当然俺の仕事だが
洗濯、どこまでしていいんだ?」
何を訊かれているかは
すぐ分かった。
下着やストッキングだ。
『と......取り敢えず服と靴下まで。
自分で洗うものは別の小さいカゴに
入れるから触らずに置いといて』
洗濯ネットに入れたら
直には見えなくなるだろう。
「......だが取り込みはどうする?」
また難問だ。
『え、ええと......夜のうちに寝室に
部屋干ししとくから、昼間ほかの
洗濯物と外に出して一緒に取り込んで。
ハンガーごとまた寝室に
吊っといてくれたらいいから』
結局そんな微妙なルールは
いつの間にか曖昧になり、
下着だろうがストッキングだろうが
一緒に洗濯してもらって
全く平気になってしまったのだが、
そのときはまだ多少の抵抗があった。