第3章 「二人の楽しい計画」
それから家の電話の電話帳機能が
初めて役に立った。
さやかの携帯番号を登録したのだ。
『ナンバーディスプレイは
契約してあるから、これで......』
試しに家の電話にさやかの
携帯から掛けてみる。
すると電話の液晶には
登録したさやかの名前と
携帯番号が表示された。
『私の電話以外は出ないでね。
あとアルバイト探すときも
面接先の番号登録していいから』
「了解だ」
洗濯をしてくる、と
洗面所に向かったリヴァイが
「チッ...」と舌打ちをした。
『......何?どうしたの?』
「...食材買ってくるの忘れた」
『いいじゃん、
取り敢えずお昼はコンビニで』
「...あ? 炊いた米も残ってるだろ。
作れば二人で数百円だが、
コンビニだったら余裕で千円超える。
俺が生活費の管理をする以上、
そんなクソみてえな食生活は許可しない」
ああ、もうここに
残る気になってくれたんだな。
そう思うと顔がほころんだ。
「じゃあ、洗濯機回してから
駅前の商店街行こ?」
また自転車を出して商店街へ。
リヴァイは十キロ入りの米も含めて、
さやかが一人暮らしを始めて以来
自分では買ったこともない量の
食材を買い込んだ。