第2章 カミングアウト
しーーーん...
あ、ヤバ。これは予想外だった。直ぐに取り繕わないと...
「あ...あはは、なんて...うs...」
「な〜んだ、トリップか。」
「フッ...トリップか...」
「トリップね。」
「トリップか...」
「トリップ!?トリップ!?普通だね!!」
「トリップかぁ、ざーんねん。」
何この反応。おかしくない?トリップってそんなに日常生活的なもんでしたっけ?
「は?」
「え?何で?って顔してんね。ここではそんな非常識なことも可能になんのよ。だってアニメだからね。」
「アニメ...」
「そー、アニメ」
そっか。おそ松の言うこともなんだか納得がいった。そうだよね、アニメ中で何回も死んでる君たちが、アニメだと理解してないなんてことないか。
「だからお金ももってなかったんだな?」
「大方、トリップしてきたはいいけど、トリップした後の場所がたまたまごみ捨て場だったわけ?ヒヒッ...ご愁傷さま。」
まだお金のこと考えてたのカラ松...そして笑うな一松。
「そんな笑わないでよ、こっちは真剣だっていうのに。このままじゃ私、のたれ死んじゃうよ全く...」
盛大な溜息を付いた私に、六つ子は顔を見合わせて、何かコソコソと話し始めた。そしておそ松がこっちを見てこう言った。
「なつきちゃんさ、俺らの家に来ねぇ?一緒に暮らそうぜ!」
「えっ...」
突然のお誘いに、頭が空っぽになった。
「えっ、何て?」
「だからさぁ...家来いよ!!」
「なんか裏でも...」
「ねぇよ!!健全だよ!!俺たちの好意を無駄にすんじゃねぇよ!」
「ええええええええええ!!!?」