第13章 カラ松事変
「かわって。もしもし、うちの次男が妖怪になって海でカンチョーされて死ぬって本当ですか?全然違う?よかった〜...あ...!?...はい、ええっ!!?あ...」
よかったと安堵した束の間、みるみる顔を青くしてこっちへ駆け寄ってきた。
「カラ松兄さん何だって?」
「やばいよおおおおお!!カラ松が誘拐されちゃったぁぁぁ!!どうしよう!!」
「ええっ!?」
「「どうしよー...」」
いつの間にか起きてきていたトド松とおそ松が棒読みでハモる。驚いたのは私だけだった。
「いや危機感!なにくつろいでんの!兄弟の命かかってんの!このままじゃカラ松死んじゃうかもしれないよ?」
「ヤヴァイ♪ヤヴァイ♪ヤヴァヤヴァ〜イ♪」
踊りながら起きてきた一松。その顔は笑顔。
「舞うな一松。兄の失踪を喜ぶな。」
え、ねぇ何この雰囲気。誘拐されても何もどうじてない。
「誘拐つったって金なんかないよ?どうせ身代金とか言うんでしょ?」
「百万円だって。」
「たかっ!」
「カラ松兄さん取り戻すのに百万円も!?」
「カラ松って誰。」
「鬼かお前ら...身代金としてはまだ安いだろ...」
「おそ松兄さん払ってよ〜」
「はっ!?なんで俺が!?」
「こないだ競馬で勝ったでしょ?僕が知らないとでも?」
「お前なぜそれを...」
「ええっ!本当に勝ってたの!?」
「ああっ!騙したなお前!」
「へへっ!うまいでしょ〜馬だけに。」
「「ハーッハッハッハッハ!!」」
「おーい!雰囲気おもしろのクソつまんねぇ会話はいいから金用意する方法を考えろよ!」
「あっ、そういや一松。」
「あ?」
「俺こないだお前に金貸しだよね。あれで払ってよ。」
「えっ!?...い、いや...おれは今十四松に貸してるし...」
「僕はトド松に貸してるよ!」
「僕はカラ松兄さんに貸してる!」
「しゃあ身代金はカラ松に払わせよう。」
「どういうこと!?誘拐されてんのアイツなんだけど!!」
「金のことは無理だよ〜、母さんに相談しよう。」
その時、松代さんが居間に入ってきた。松代さんが持ってきた大きな皿には大量の梨が乗っていた。
「母さん!ちょうどよかった!今ね!」
「ニート達、梨がむけたわよ〜」
空気読んで欲しかった松代さん!!
「「「「「わあぁ〜、梨だあぁぁ〜」」」」」