第12章 トト子なのだ
「トド松どうする?警察呼ぶ?」
「怖いよね〜」
「怖いよ。家に呼んだだけで風呂上がりのバスローブ姿で来るんだよ?オカルトだよ。」
「.........っ!!」
「で、さっきからうるさいんだけど、どこにツボったのなつき。」
そう、私はカラ松の姿を見た途端吹き出してしまった。元々笑い上戸な私は笑いが止まらなくて、ずっと笑ってる。いや、面白すぎでしょ!!
「カラ松最高!!バ、バスローブって……!!あはははは!!」
「これで引かないんだから、なつきって変だよね...」
「ある意味お似合いなんじゃねぇの?」
「そう言えば出会ったのは一松兄さんだけど、連れてきたのはカラ松兄さんだったよね...やっぱそういう事なのかな。...そういえばチョロ松兄さんだけ来てないね。」
「あ...本当だ。」
そしてお決まりの足音が聞こえてくる。やっと笑いのツボが過ぎて目に溜まった涙を拭ってドアを見る。さすがにみんな悟ったみたいでチョロ松が来るだろうと話していた。...だが来たのはチョロ松ではなくて、オッサン...いや、知らない人たちがゾロゾロと部屋に一気に入ってきた。
「どゆこと!?なんかすげぇ来た!!」
「野球!?」
「何この人数!何が始まるのこれ!?何かカメラもいっぱいいるし!」
「う〜ん...これだけの人数を集めたとなると...」
「野球!」
「野球じゃないよ十四松兄さん。」
あ、私のセリフだったのに...
「えええ!?野球じゃないのおおおお!?」
なんかめっちゃショック受けてるし。
「てかやっぱりチョロ松だけ呼ばれてないのか...」
「ね。」
「何でだろ?」
「さあ?」
そして何回目になったか分からない階段を登る音が聞こえ、みんながドアを見る。現れたのは待ちに待ったトト子ちゃんと、メガネを掛けたチョロ松だった。入ってきた途端後ろにいたカメラマンさん達が一斉にシャッターを押し、部屋は光に包まれた。
「...なに?」
「わかんない。」
神妙な顔つきのチョロ松が口を開いた。
「えー、本日は皆さんお忙しい中...トト子ちゃんの為にお集まりいただき誠にありがとうございます。マネージャーのチョロ松です。」
「「マネージャー!?」」