第12章 トト子なのだ
今日は松代さんに頼まれて1人で赤塚スーパーへ買い物に来ていた。今日のご飯は何にしようかな...すき焼きみんな好きだから、すき焼きにしようか...でもお金は松代さんから頂いたから、あまり贅沢なものは買えないな...そう思いながら食材を選んでいたら、なんか急いでいた女性とぶつかってしまった。
「あっ、ご、ごめんなさい...!」
「......あれっ?なつき?」
「ト、トト子ちゃん...!」
そう、ぶつかったのはトト子ちゃんだった。買い物なんてトト子ちゃんらしくない。珍しい。実はトト子ちゃんはおそ松に紹介してもらって、既に会っている。トト子ちゃんいわく、友達になってあげてもいいわよぉ?だそうだ。そう思ってたら急いでただろうトト子ちゃんが私の腕をグイッと引っ張った。
「ちょうどいいところに!なつき、トト子の家に来て!重大発表があるの!」
「え、待ってえーーーっ!?」
食材を慌てて戻したあと、凄い力でグイグイ引っ張られて赤塚スーパーを後にし、気がついたらトト子ちゃん家に着いていた。あー、買い物は後ででもいいか。
「ちょっとここで待っててね!勝手に出たら殴るからね!」
めっちゃ理不尽。そういってトト子ちゃんは私は部屋に置いて何処かへ消えてしまった。何、いつまで待ってればいいの?どうしようかと悩んでいたら、ドアが開いた。
「トト子ちゃん!!」
「......あ。」
「...えっ?」
入ってきたのはおそ松。何だか赤い顔をしながら入ってきたのに、私を見た途端ヒュッとその顔は引っ込んだ。なんだよ、トト子ちゃんがいると思ったのに、行ったら私がいて残念だったってことか殺すぞ。
「何でここに?」
「知らん。スーパーで会ってそのまま連れてこられた。重大発表があるらしいよ。」
「あ、そうなの?」
そういってストン、私の隣に腰を下ろした。会話はなく時間だけがたっていく。隣にいるおそ松が気になって見ると、また顔を赤くしていた。何想像してんの?
「ダメだぁ...汗が止まんない...!いけないと分かりつつも変な期待ばかりしてしまう...それにしても何でこう女の子の部屋って可愛いんだろう...マジいい匂いするし置いてある全てのものが愛おしい。消しゴムさえ...なんかカワイイ。」