第11章 おそ松の憂鬱
「あ、あの...お会計いくらですか?おそ松の分も払います...」
「あ、あぁ...」
お金をチビ太に渡したところでおそ松の大声が聞こえた。
「なつき!!!帰んぞ!!!」
「は、はいただいま〜!!」
おそ松は怒っていた。チビ太いいこと言ったのに、なんでそこで怒るんだろう。いちいち一歩踏み出す時にドスンドスン言わせるのやめてくれませんか。
「兄弟大事にしろ...?うっせーよ...遊んでくれなかったのアイツらだし...!俺悪くねぇし!てか長男だからって何!?あれが一番ムカつく!」
「お、おそ松兄さん!!」
「いや六つ子だから!みんな同い年だから!」
「おそ松兄さんったら!!」
「うるせぇっ!!!!」
「ひいっ!!」
さっきのテンションのまま怒鳴られた。こえぇ...
「...あ。あのさ...?そんなに長男やなら兄さんって呼ばない方がいいと思って...」
「......なんで?」
「だって、負担になるんなら、呼ばない方がいいんじゃないの。それでも兄さんって呼ばれたいなら、きっとおそ松は根っからお兄ちゃん気質なんだよ。」
「.........なんだかなぁ...」
おそ松は大きなため息をついた。そこでビクッとなってしまった私はきっと反射だろう。
「ごめんなぁなつき、そうだよな。何言われようとも、俺、長男だもんなぁ...帰ったらあいつらに謝るよ。あんがとな。」
ううん、と首を振ればニカッ、と笑ってくれるおそ松。やっぱり好きだなぁ。まあ一番はカラ松だけど。松野家につき、みんながいるであろう居間の襖をあける。
「今日はごめんみんなっ!色々と俺が悪かった!」
おそ松偉いぞ。チラッと机を囲ってトランプしてる5人を見て、えっ、となった。
「どわあああ!!ロイヤルストレートスラッシュかよ〜ニューおそ松兄さん!!」
「本当に強いね、ニューおそ松兄さん。」
「イカサマじゃね?」
「おい一松、先代じゃないんだから。」
「確かに。」
「「「「「あははははははは!!」」」」」
え、待って誰それ。
「な?チビ太...なつき..こいつらこういう奴らだから...わかんだよな〜俺...長男だから...!!誰だてめええええええええ!!!」
得体の知れないオッサン(ニューおそ松)を蹴飛ばすおそ松。うん、今日も松野家は平和です。