第11章 おそ松の憂鬱
「チビ太さん、卵とダイコンとちくわぶください。」
「お、食うのか?どんどん食えよ!」
そう言って皿に頼んだやつをのせてくれるチビ太。私はちゃんとお金払うから安心してね。
「こいつ、なんか変なとこで落ち込んでやがるから、困ってたんだバーロー。」
「変なとこで?」
「自分から兄弟を嫌がらせといて、その仕打ちに殴られるわ無視されるわで落ち込んでるんだ。」
「あぁ、水陸松兄さん達か。」
「あとトド松!」
「まじかぁ、トド松兄さんはドライモンスターだもんね。」
「そうそう、マジでドライなんだよ!」
「まあでもよぉ。兄弟なんだから...もっと大事にしてやれバーロー...こんなの言うのは初めてだけどよ...おいらは子供の頃お前達六つ子が大嫌いだった。でもそれは反面羨ましかったからなんだよ。ケンカ?いいじゃねぇかできるだけ。俺はずっとケンカできる相手すらいなかったんだぜバーロー...水飲んでもう帰りやがれ。長男が弟を心配させてんじゃねぇやい!」
いいこと言っておそ松に水を渡すチビ太。そんなこと思ってたんだねぇ...。でも長男ときたら
「...で?」
「え!?いや...だから...兄弟は大事に...」
「関係なくない!?」
「は?」
「お前が兄弟ほしかったことと俺がアイツらにムカついてることと今関係なくない!?」
「ちょっと...おそ松兄さん?」
「なに感動させようとしてんの!?無理なんだけど!そんなん言ったら俺だって1人っ子がよかったわ!ある!?ダースで服買われたこと!地獄だよ!?アイデンティティ崩壊するよ!?どこ行っても指さされるし!いくつになっても比べられるし!六つ子って5人の仲間がいることじゃないからね!5人の敵だからね?ねぇ!...帰る!」
言いたいことだけ言って席を離れたおそ松。凄い早足で公園の出口へ向かっていく。この雰囲気どうすればいいの、気まずいわ。