第11章 おそ松の憂鬱
せめて何か言って一松!なんか分からないけど、流れ的に長男を除いた私たちでトランプをやることになった。いつも六つ子がやってるトランプは、ルールが分からなかったから無難であるババ抜きを3回、神経衰弱が2回、7並べが3回の計8回勝負をした。結果はそっちに任せる。そこまでやってふと時計を見てみると何と20時。長男はまだ帰ってこない。あれでも一応成人男性なので心配はいらないと思うが、あまりほっとくと面倒臭いことになりそうなので、またトランプ切っているチョロ松に伝えて長男迎えにいくために家を出た。結果、チビ太のおでん屋にいたのだ。なぜ分かったかって?長男と言ったらもうしつこいかもしれないけど、競馬場、パチンコ、チビ太のおでん屋しかいる場所がないのだ。他にもあるとしてもそれは時々であって、さっき水陸松に体裁を下されたんなら兄弟大好きっ子なおそ松はきっと拗ねてるだろう。だから愚痴れるチビ太のところ、といったところだろうか。
「おそ松兄さん、お迎えにあがりましたよー」
「お!なつき〜!!」
嬉しそうに振り返るおそ松をみて、これは出来上がってると判断できる。どんだけ飲んだんだこの人。
「すみません、すぐ回収するんで。」
「お兄ちゃんをゴミ扱いしないで〜!!一松だけでいいよゴミは!」
「一松兄さんいわく、燃えないゴミならその兄である兄さんは粗大ゴミだね。」
「妹が冷たいよ〜!!ドライだよ〜!!」
「え」
今妹って言った?言ったよね?私おそ松の妹になった覚えないんだけど...まあたしかに?私はみんなと家族的な絆を養ってきたけどね?え?マジで?超嬉しい。
「おめー、妹なんていたのか?」
「ん?いやちげぇよ。こいつはなつき、トリップしてきたんだってよ。」
「トリップ?そりゃ大変だったなチクショー」
やっぱりここの人たちは感覚がぶっ飛んでらっしゃる。おそ松からトリップの単語が出て焦った私が馬鹿みたいだ。
「ん?じゃあなんで妹なんだよ。」
「こいつは俺らのこと兄さんって呼んでくれんだよ。だから俺も妹だと思ってるってわけ。可愛いだろ〜?やらねぇぞ。」
「とんねぇよバーロー。」
まじかぁ、おそ松好きだわぁ。嬉しくなったので、回収するのをやめておそ松の隣に座る