第10章 就職しよう
「おそ松ザンスか。」
「トド松。」
「おそ松はこっち。」
「なんザンス!?もう飲んでるザンスか!?相変わらずダメな六つ子ザンスね。」
「なぁイヤミ、お前を親友と信じて相談があるんだ。」
「なんザンスか急に。」
さっきまでおちゃらけてたおそ松が、いきなり真顔になって切り出した。大事な話なんてしてなかったのに、どうしたんだろうかいきなり。
「今俺達六つ子は人生最大の危機に直面してんだよ。」
「ミーに出来ることなら。」
そうだっけ。私が知らないところで人生最大の危機に直面していたなんて。イヤミもそれを聞いて真面目な顔をする。
「お金貸して。」
「何に使うザンスか。」
パチンコのレバーを回す仕草をする。
「ふざけるなザンスーーーっ!!!」
イヤミの怒鳴り声を合図に、六つ子は一斉にイヤミの車を壊そうと動く。イヤミは慌てて六つ子をおさめる。
「わあああああ!!止めるザンス!!なんザンスか!ほんとヤクザな六つ子ザンス!」
「ケッ、もう出番やんねーからな。」
「鬼!!人でなし!!人格者!!高額納税者!
!」
「なんで最後褒めたザンス?というか、そこに突っ立てないでチミも止めるザンスよ。」
「ふぁっ!?」
「全く...子供の頃にチヤホヤされたせいでとんでもないモンスターに育ってしまったザンス………なんザンス?」
「あ、いえ、何でも。」
「なんでイヤミがなつきのこと知ってるの?」
グイッと割り込んできたトド松にタジっとするイヤミ。
「あぁ〜、俺とでかけた時競馬場であったんだよ、こいつと。」
「はあ?おそ松兄さん、デート競馬場だったの!?うっわ、有り得ない!ロマンの字もない!」
「うるっせえな、俺が楽しかったんだからいいんですぅ〜」
「クソ政権め。」
「クソだな。」
「クソだね!!」
上からチョロ松、カラ松、十四松。いいよ、いいよ、もっと言ってやって〜。
「酷くない!?お兄ちゃん泣いちゃう!!なつき、楽しかったよなぁ!?」
「全然楽しくなかったよ。」
「ぷくく。とどめ刺されてるw」
それより、イヤミがその間に車出そうとしてるんだけど、いいのかな。
「どこ行くの?」
気づいた一松がイヤミを引き止める。イヤミは呼び止められて心底嫌そうな顔をした。そんなに絡むの嫌なんだね。