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松野家のトリップ少女

第10章 就職しよう


今日はみんなでハロワだって。もちろん言い出しっぺはチョロ松。

「いい!?今日こそは絶対に採用されるようにしてね!なつきの手本になれるように!!」

「「「「「へ〜い」」」」」

「なにその気の抜けた返事!!」

みんなこのようにかったるそうな返事を返す。別に私はみんながニートでも構わないんだけどな。ていうか、みんなニートじゃないとそれはもうおそ松さんじゃない気がするわ。ハロワについて、みんながそれぞれ呼ばれた席へ向かっていく。

「え〜、松野おそ松さんですね?ご希望の職種は?」

「はい、希望はビックっす!あとカリスマ!レジェンド!人間国宝!!」

「何のでしょうか。」

まず、ハロワに行ってビックになりたいとか夢ありすぎだよね。てか、カリスマレジェンドはいいとしても、人間国宝にはなれないと思うんだけど。

「松野カラ松さん。ご希望の職種は?」

「フッ...静寂と孤独...」

「具体的にお願いします。」

「フッ...己との戦い...終わりなき試練...やがて俺は立ち上がることもできず...」

バンッ!!

「ヒッ......あ、事務員でお願います。」

何を表してんの?てか、面接官が途中イライラして机叩いて、それに驚いて素に戻るとかヘタレかよ。いや、もう可愛いわ。

「松野チョロ松さん。」

「はい。あのーこれ今日アジェンダです。正直ベース社会保険はマストのマイルストーンは月20万でフィックスでコミットなんですけど、どうですか?」

「ウザイす。」

うん、ちょっと何言ってるか分かんない。カタカナ使えばいいと思ってない?これで採用されると思ってるんだから救えないなぁ...

「松野一松さん、ご希望の職種は?」

「希望というかみんなに着いてきただけなんで...あ、今こいつ屑だなって思いました?屑ですゴミです。生きる気力のない燃えないゴミ。あ、燃えないゴミっていう表現いいな、書いとこ。」

淡々と吐くように自分を卑下するなぁ。てか面接官の前で何やってんの。付いてきてるだけなら私と一緒に待ってろよ。

「しょくしゅ!?あ、これ!?触手のこと!?うん、できるよ触手〜」

十四松にいたっては職種の漢字が違うし。腕をウネウネさせてボケる十四松。いや、これ本気でやってるのかも。

「彼氏は〜?」

「いないですぅ〜」

「え〜?本当に〜?」
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