第9章 デート編〜おそ松〜
断ったぞ、この出っ歯。まあ別にいいんだけどさ。このまま挨拶して競馬場を後にしようと足を運んだところでイヤミに肩を組まれた。
「ひぁっ!!」
「ちょっと待つザンス。あいつらの家に住んでるなら教えてちょーよ。」
「な、何を...」
「何って決まってるザンス。六つ子ちゃん達のよ・わ・みザンスよ!」
「弱み...。それ言ったら帰ってもいいですか?」
「いいザンス。」
よし来た。これなら簡単。おそ松さんファン舐めんなよコンチキショー。
「まずトド松はLI○Eに登録されてる女友達にトド松の恥ずかしいことを拡散すれば幻滅されて今後の付き合いにヒビが入る。そして十四松、バットを隠せば行ける。あとはサンタを信じてるから、十四松は悪い子だからサンタは来ないとか言っとけばいい。一松は多分兄弟いないと駄目だから監禁…かな?チョロ松はニャーちゃん御本人にあいつは危険だから出禁にした方がいいとかいえばいい。さらにカラ松、あの人は凄く優しいから弟を盾にすればいいと思う。兄はダメ、弟限定。ハイ終わり。帰っても?」
「ちょっ...ダメザンス!!誰が誰だか分からないザンス!!」
「見分けてください。今度見分け方を教えて差し上げるので。」
「誰が誰でも同じザンショ。おそ松だけ言ってないザンス。教えてちょーよ。」
「おそ松は...」
「おそ松、兄さんだろなつき。呼び捨てはお兄ちゃん傷ついちゃうな〜?」
「「げっ!」」
丁度悪い時に来る野郎だな。てか、図ったんじゃないだろうか。そうだったら許さんぞ、決して。
「てかイヤミ、誰の許しでJKと肩組んでんだよ。そこ代われ。」
「シェ?誰がJKザンスか?」
「なつきに決まってんだろ。」
「シェーーー!!!」
あの伝説のシェーのポーズを間近で見れるとは。イヤミは驚いて私の肩に置いていた腕を退けた。そしておそ松はなおもイヤミに近づいてく。
「てことで慰謝料。ちょーだい♡」
「い、いやザンスよ!!」
「はぁ?俺に逆らっていいのイヤミ?みんなに言いふらすよ?なつきの肩組んだこと。」
「わ、わ、わかったザンスよ!!これでいいザンスね!!」
おそ松に5000円渡して逃げるように去っていったイヤミ。ぽそっと呟いた「六つ子ちゃん達の共通の弱点はあの子ザンスね...」と言う言葉は、どういう意味なんだろうか。