第9章 デート編〜おそ松〜
ラストを飾るのは六つ子の長男おそ松。シメなのでいいところに連れてってほしかったんだけど、その願いも無下にされて場所は競馬場。JK連れていくところかな、ここ。全然楽しくないんだけど。馬を見に行ってたおそ松が帰ってきた。
「ねー、ねー、なつきはお馬さん何選ぶ?俺はもちろん3連単!!」
「クズめ。」
「えっ、お前今クズっつったな!?言ったよな!!クズっつったほうがクズなんですー!!松代に言いつけてやるぞ!!」
ガキか。さすが小5メンタル。奇跡のバカ。私の最低デートスポット上位に今なったよ、おめでとう。
「......何?私は買わないからね。こんなんでお金使うくらいならゲーセン行きたい。」
「え〜、やっぱり子供だなぁお前は。これが、大人の、お遊びなの!!」
「はいはいクズクズ。」
「おい!!お前知んねぇからな!!競馬場で迷子になっても知んねぇからな!!」
こんなクズに着いてくよりは全然いいわ。叫んでるおそ松を置いて私は競馬場へ入っていく。やっぱりオッサン達しかいねぇわ。どうしようか、帰ろうかな...。そんで家帰ってチョロ松あたりに話して叱ってもらおう。よしそうしよう。座席の真ん中辺りまで歩いてた足をそのままUターンさせて出口へ向かう。そこでさっきまでいなかった出っ歯のオッサンが目に入った。
「......イヤミだ。」
「ん?なんザンス?」
ヤバッ、声出てたのか。とにかく取り繕わないと...この人と話してるとうざくなってくるんだよね。話したことないけど。
「あ、あー...初めまして。私は松野家に居候させて貰っているなつきと申します。イヤミさんのお話はおそ松辺りから聞いておりまして...」
「おそ松の家の居候?はー...物好きザンスね。あんな悪魔達の家の住民になろうとは...」
「いやぁ...まあ。」
「......!!ってことはおそ松はここに!?」
「あ、来てますけど、別行動してるんで大丈夫ですよ。」
「あぁ...安心したザンス。あいつがいるとロクなことがない。」
心底ホッ、とした様子で胸をなで下ろすイヤミ。六つ子には色々と苦労されてるみたいで...金取られたり、家解体されたりetc...
「じゃ、私帰るんで、おそ松がいたら私は帰ったと伝言を...」
「なんでそんな面倒くさいことをミーがしなくちゃいけないザンスか。」