第1章 ゴミ女
相変わらずの掛け合いに、思わず吹き出す私。さっきまで泣いてたのに、いきなり笑い出すとかこの人達にはおかしい人と思われてるだろうか。慌てて弁解する私である。
「あっ、いや兄弟なのに仲悪いんだなぁ...って思って...」
2人はお互い顔を向けあってキョトンとしてる。そしてカラ松はいつものイタイ顔、一松はすっごく嫌そうな顔をした。その顔を見てまた笑えてくる。カラ松が不意にこう言った。
「ん、そうだ一松。今日のランチは急遽焼肉になった。」
「え、なんで。」
「おそ松がパチンコで大当たりを引いたらしい。奢りだと。」
「マジか。やりぃ。」
いいなぁ焼肉...私もお腹空いたよぉ...。てか、さっきのやり取りがなかったみたいに仲良しではないですか、お二人さん。そう思って心の中でニヤニヤとしていたら、カラ松が私に話しかけてきた。
「ん?ガールどうした?そんな物欲しそうな顔をして。フッ、もしや俺に惚れたか?まあそれも分かるが。なんて言ったってこの俺は、万物を魅了するギルt...」
「だまれクソ松。」
あら〜、せっかく一松機嫌が良かったのに、また険悪な顔になっちゃったじゃないの。ってか、物欲しそうな顔してたの私。かなり恥ずかしいぞ。
ヴー、ヴー、ヴー
カラ松のポケットからはみ出ているスマホが震えた。もしかして、一松を呼びに行ったカラ松の帰りが遅くて呼び出しされてるんじゃ...。
カラ松は一松に蹴られたところをさすり、スマホに出た。
「フッ...誰だと思う?カラ松さぁ!」
なにそのでかた。てか音量が大きくて、相手の声が丸聞こえなんだけど。
『なにそのでかた!!イッタイよねぇ!!?てか何してんのイタ松兄さん!!一松兄さん呼びに行って30分たってるんだけど!?』
うわ、トド松だ。めっちゃ怒ってるよ。30分も待たされたらそりゃ怒るわ。