第1章 ゴミ女
「......とりあえず、銭湯って何処にありますか」
一松への不満より、まずは体を清めたい。私は一松に問いた。
「そこの角を曲がって右。」
どうも、って礼を行ってとりあえず去るつもりだった私だが1歩踏み出したところで固まってしまった。......私、金ない。嘘、こんなところへトリップして、金持ってないとか自殺行為じゃん。うわ、死亡フラグたった...どうしよう。不安になって一気に泣けてきた。
「うっ...」
「えっ...何、なんで泣き出すの。こんなゴミに道教えてもらったことに泣いてるの?そりゃそうですよね、ゴミですいません」
ごめん、今闇松化したあんたを相手してる余裕なんてないんだよ。自分のことで精一杯で。
「いちまぁつ?ガールを泣かすなんて、ギルトガイだな?」
......は?え、待って。この声は...この中村悠一ボイスは...
「クソ松...」
やっぱりカラ松うう!!!え、嘘、初めてのご対面が泣いてる時って酷すぎるだろトリップの神様!!いやトリップの神様って誰だ!?いや、一松との出会いも最悪だったけどね!!少し上を向いて様子を見る。あぁ、やっぱりドクロが後ろに付いてる真っ黒い革ジャンに、中には自分の顔がついてるタンクトップ、そしてズボンはミラーボール並の輝きを放ってるズボン。カラ松...もうちょいカッコイイ服着て欲しかった...。涙も引っ込んじゃったよ。
「ん?どうしたガール、俺の魅力で雫が枯れてしまったか?」
「クソ松」
「ん?」
「本当クソ松、死ね」
「why!?」