第8章 デート編〜カラ松〜
午前10時。私は玄関で靴を履く。どこに行くのかって?そりゃもちろんカラ松と決めた待ち合わせ場所に。カラ松が一緒に家から出るのも悪くないけど、デートの雰囲気を出したいからってわざわざ外で待ち合わせてんだよね。実はすごく楽しみなのである。ウキウキと音が出てそうだ。チョロ松より気合を入れてお洒落しました。褒めてくれるかなぁ。待ち合わせの時計台の下が見えてくる。カラ松を探すとやっぱりいた、革ジャン着てサングラス掛けたギルトガイが。
正直その格好は注目浴びるからなるべく着て欲しくなかったけど、まぁカラ松らしいっちゃらしいので。
「カラ松兄さん、お待たせしました。」
「お、来たか...カラ松ガール!!格好がキュートすぎてヴィーナスが来たのかと思ったぜ!」
「そりゃありがと。..カラ松ガールって呼ぶの?」
「えっ、不満か?」
「うーん、長くない?例えばハニーとか...?」
チラッ、とカラ松を見る。出しゃばり過ぎたかな、あっちとしては多分今回のデートは兄弟感を深めるためのものであって、カレカノイベントではないのだ。...と思ったが、カラ松はとても嬉しそうに笑った。
「じゃあ、ハニーと呼ばせてもらおう!」
簡単に今の私の心境を一言で言うと、卒倒しそう。あと、鼻血出てもおかしくない。いやぁ...めっちゃ美味しい展開になってきた。
「なつき...?大丈夫か?」
心の中でぐふぐふしてると、カラ松が声かけてきたので汚い妄想はとりあえず保留。
「あ、大丈夫です。今日は何処へ連れていってくれるんですか?カラ松さん。」
「え、なぜ敬語...?フッ、今日は最高のプランを用意してきたぜ!まずはエンジェル達がナイトマウンテンで踊るシャインワールドだ!」
要約すると、「天使が夜の山で踊る輝いてる世界。」なんのこっちゃ。カラ松から視線を下げて考える。天使はきっと例えだ。だから山で輝いてる世界を考える。夜の山で輝いてるといえば...星、かな。今は朝、星なんて見えるはずない...となると答えは
「...プラネタリウム?」
「ビンゴォ!!」
多分これで通じる人って私以外いないんじゃないだろうか。カラ松のビンゴも心なしか嬉しそうに弾んでる気がした。ってか、朝から(10時だけど)プラネタリウムって...ロマンチックなのかクサイのか...