第6章 デート編〜一松〜
「こんな感じしかできないけど、楽しかったの?」
一松が突然そういった。
「うん?とっても楽しかったよ?」
そう言ったら少し嬉しそうに笑って前を向いてしまった。なんか一松の隣って安心するわ...。無言で歩き続けたら気まずいと最初は思ってたけど、喋らなくても居心地がいいと思える人って初めて。そんな人もいるんだなぁって思って、また一緒に出かけたいなぁっと思った。
「今日はありがとう、一松兄さん。猫可愛かったし、のんびりデートできたから楽しかった。」
「あぁ...昨日は十四松とだっけ?」
「お陰さまで筋肉痛ですよ...」
「ヒヒッ、ご愁傷様...」
「ひっどい!」
「まぁ......こんなんでいいなら、…また出かけてもいいけど......なつき。」
「.........」
「......何、やっぱ嫌?」
いきなり名前呼ばれたんで反応出来なかった。フリーズしてたら一松が少し不安そうにこっち見たんで、不覚にもキュン、としてしまった。母性か、これは母性なのか。
「嫌じゃないよ、......ふぅん、一松兄さんって可愛いんだね!」
「はぁ?頭おかしいんじゃないの...」
そんなこと言って満更でもないような顔してるけどね〜。この後も仲良く帰りましたよ、私たちは。
おまけ
家に帰ると居間で座って鏡を見ていたカラ松が迎えてくれた。
「おかえり一松、なつき。デートはどうだった?」
「一松兄さんが可愛かった。」
「そうか、一松のパンドラの箱がヴィーナスの微笑みに悲鳴をあげt...」
またよく分かんない言葉を連ねていったので、一松がカラ松の胸グラを掴んだ。あ〜あ、カラ松驚いて涙目じゃん。
「一松兄さん、カラ松兄さんの神聖なグラスから清きビー玉が弾けてるからやめたげて。うわっ、意外と難しいな、この言い回し。」
「は?何、あんたも俺に殴られたいの?」
「なつき!お前......カッコイイな!!イかすぜ!!」
...マジかカラ松。