第6章 デート編〜一松〜
「…………は、………くしゅっっ!!!あー…」
非常に女っ気のないクシャミが出た。まぁしょうがないよね、寒い中結構な時間座ってたし…
「………………いくよ。」
ちらっ、とこっちを見た一松はいきなり立ち上がってこう言った。
「え?どこに?」
「猫カフェ。」
猫カフェ。行ったことないぞ。てか、今猫触ってまだ猫に会いに行くのか。どんだけ猫好きなんだよ可愛いな。もちろん私も猫大好きなんで異論はない。そうと決まったら猫カフェへ。その道中、マフラーを顔まで覆ってたせいで前が見えなくて、電柱にぶつかってしまったというハプニングがあった。いや、本当馬鹿だよね、分かってる。いきなり電柱にぶつかって、めっちゃ痛くてしゃがんでたらちょっと慌てた一松が、「危なっかしくて見てらんない」って言って着くまで手を繋いでくれたのは感動した。今日右手洗えない(真顔)。
猫カフェに着いて一松がオススメしてくれた猫を指名して席についた。結構オシャレな場所で、リラックスできた。
「一松兄さんの猫、何ていうの?」
「え?」
「種類。珍しい子だね。」
「あぁ...サイベリアン。」
「え、何それ聞いたことない。」
「そうだろうね、ロシアの猫だから。」
頬がフワッとなってて可愛いな、サイベリアン。ちなみに私はエキゾチックショートヘア。ちっさくてつぶらな瞳で一気に落とされた。可愛すぎる。猫に慣れてないから、一松のように上手く撫でれないけど、私なりの愛情を持って撫でまくってやりましたよ。
「.........これ、美味しいんだけど食べない?」
「え?」
机の上のメニューを指さして一松が言う。見てみると猫をモチーフにしたトリュフらしい、めっちゃくちゃ可愛いんだけどなにこれ。
「食べる!」
「そう。」
一松の頼んでくれたそれはとても甘くて美味しかった。いや〜、一松がオススメしてくれるなんて嬉しいこともあるもんだ。猫もカフェもデザートも堪能して猫カフェを出た帰り道。