第4章 デート編 〜トド松〜
パンケーキ屋を去って、向かった場所はショッピングモール。トド松曰く、「一緒に服とか見よっ!」...女子かっ!!いや、絶対私よりトド松の方が女子力高い。「これなつきに合うんじゃない?」って持ってきた服は全部ズボンばかり。私の好みを熟知してらっしゃる。トド松の友達の女子達の好みも熟知してるんだろうなぁ...人身拳枠術、末っ子トド松恐るべし。ただ、自分の服となると一気に勢いが下がった。マネキンの服ばっかりだ。
「トド松兄さん?何でマネキンの服ばっかり選ぶの?」
「だってそっちの方が当たり外れなくていいでしょ?」
澄んだ目でこっちを見ないで。つまり他人の服はどうでもいいってわけか、ドライモンスターめ。
「......な〜んて、嘘。まぁそれもあるけど、なんか僕が自分の選ぶと全然似合わないのばっかになっちゃうんだよねぇ〜...だから嫌になってマネキンの買うことにしてんの。」
あらら…これは私の出番ではないか?私のセンスもそんなダサくないだろうし。
「トド松兄さん、私が兄さんの服コーデしてあげようか?」
そう言ったら、トド松は嬉しそうに笑った。
トド松コーデ完了。
「ちょっとこれは僕に合わないんじゃない?」
試着室から出てきたトド松の1番の言葉はこうだった。私が選んだ服は無地の紺Tシャツにピンクと赤と茶色のチェックのスプリングコート、ズボンは青色。うわ、自分のコーデ神じゃね?トド松がイケメンに見えてきた。
「いやぁ...似合ってるよ兄さん、次の合コンで着ていったら?」
「え〜?」
少し怪訝そうな顔をしながらも、鏡を前にクルクル回ってポーズを決めたりしてるトド松。なんか満更でもなさそうなんだけどな。そして
「...うん、じゃあこれにしようかな。あ、会計お願いします。」
決めんの早いな。すぐ店員さんを読んで財布を取り出す。
「え、え!?本当にこれでいいの、そんなあっさり決めちゃっていいの?」
慌ててそう言ったら、
「え?だってなつきがイケメンって言ったんじゃん。それに、僕もよく見たら悪くないなって。いつもカワイイ系で揃えてたから新鮮でさ♪」
そうか。そう言われるとちょっと照れてしまう。自分がコーデした服を着てもらうって結構気持ちのいいものなんだなぁって思った。その後はまた近くのカフェでお茶した。女子か!!