第3章 初めての兄さん
いや〜、私が松野家に招待されるなんて夢にも思ってなかったよ!いや、夢で何100回としてたんだけどさ。目の前にはアニメで見たとおりのお家。嬉しいの域を超えて息が詰まりそうだ。
「たっだいまぁ〜!!」
「さ、入って入って。」
一番に玄関に入るおそ松と、私の背を押して招き入れてくれるチョロ松。いやぁ〜、アニメで見てたとはいえ、モノホンの松野家の中だよ?なつきちゃん興奮MAXよ?
「あ、母さん、話があるんだ。この子なつきちゃんって言うんだけど、かくかくしかじかでここに住ませてもいい?」
チョロ松が台所から顔を覗かせた松代さんに説明した。またかくかくしかじかで。
「あら、いいわよ。ちょうど女の子欲しかったところなのよねぇ〜。血は繋がってないし、ニート達の誰かとくっついてくれれば、母さん万々歳よ。」
「あ、あははは...」
ぜひカラ松を下さい。という言葉を飲み込んだ私は偉い。
「な?即オッケーだったろ?」
ニマッ、と笑ったおそ松に私も満面の笑みで返す。
「はいっ!」
それを見てちょっと固まったおそ松に不審感を覚えた私だったが、松代さんの「ニート達、冷蔵庫にナシが入ってるわよ〜」と言う言葉で秒で掛けて行ったおそ松含む六つ子に気のせいか、と思う。取り残された私は靴を揃えて居間にお邪魔して六つ子を待つことにした。しばらくしてから大量にナシが入ってる大皿と、小皿を持ってきた。そしてカラ松が自分が持ってきた小皿に、大皿に入ってたナシを数個入れて私に渡してきた。
「えっ...、あ、ありがとう...?」
「フッ...例には及ばないぜ。俺たちのナシ争奪戦に参戦できないだろうからな。」
うっわ、イケメンだわ。こういう無自覚な優しさが女の子を魅了するんだよバカ!
「カラ松テメェ自分だけポイント高くしようとかズリぃぞ!!」
「そーだそーだ!!」
「えっ?」
小学生かな、おそ松にトド松は。その後はまあ平和にナシをいただきましたよ。隣でナシが飛び交ってたけど。本当カラ松ナイスだわ。