「新テニスの王子様」理想のペア、Staring eyes
第7章 Staring eyes5ー5(ファイブゲームスオール)
丸井「………」
丸井の方も、さっき跡部に言った九割は本心の言葉ではありません。
木手のことは本当は、そこまで取っつきにくいと、怖いと思ったことはありませんでした。跡部の前だから、丸井はそう言うしかなかったようです。
しかし、木手が高校生たちに自分をつぶすよう命令していたことが、いまだに信じられなかった丸井でしたが、
木手『前々から、あなたのこと、うっとうしいと思っていました』
と、言った木手の言葉に傷ついていたこともあり、彼が高校生たちに命令したことで怒っていると言うよりも、それで避けてしまっているようです。
丸井「今、あいつのことを考えるのはやめだろい! ああもう、オレのどこがうっとうしいんだよー!」
丸井は結局、練習相手を見つけず、一人でテニスの自主練をし、この日の午後は木手に関する憂さ晴らしで終わったのでした。
丸井は次の日のトレーニングも、木手に会うたびに気まずく、なるべく視界に入れないよう、筋トレに励んでいました。
サーキットコーチの柘植(つげ)から見ると、丸井がいつもより気合が入っているように見えたようです。
柘植「丸井、ペースが速くなったな。その調子だ!」
と、初めて柘植に褒められていました。
ぽかんとする仲間たちでしたが、気を取り直し、筋トレに集中します。