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【進撃の巨人】今日から君は調査兵団【エルヴィン】

第5章 月刊『壁男』と夜会


―――話は数時間前に遡る。

待ちに待ったハンジさんとのお茶会は2人が非番の日に設定された。その方がお互いに友人として話せるし、エリナとプライベートの話を沢山したいよ・・というハンジさんの申し出が何より嬉しい。
私の事を仕事とは関係なく1人の友人として迎えたいと少しは思ってくれているのだろうか?
エリナは普段の兵服ではなく私服姿で鏡の前に立った。
本音はワンピースで行きたいところだが、馬に跨るのを考えるとパンツスタイルにならざるを得なかった。オシャレな喫茶店でも・・と思ったのだが、この日の為にハンジは仕事を連日深夜までかけて片付けているとマスロヴァから聞いたエリナは、極力ハンジの負担にならない所でと考えた結果、ハンジの部屋にお邪魔することになった。


せっかく手に入れたお菓子のおすそ分けを勤務中のアイに届けようと本部に寄った結果、アイから

「エルヴィン分隊長が拾ってきたゴロツキが、年末の王都で開催される兵団の夜会に出席するらしい」

との噂を伝えられた。

王都の夜会では兵団関係者、資金援助をしてくれる貴族、商人など様々な人が集まり煌びやかな舞台の裏で様々な駆け引きが繰り広げられる。貴族のお姫様方のエスコートマナーは絶対だが果たしてリヴァイはできるのだろうか。

不安になったエリナは、演習場で一緒になる度に口悪く、しかしピンポイントでエリナの悪い所を指摘してくれるリヴァイに恩返しがしたいと家にある書物をかき集めてハンジの元へと向かった。


「なるほどねぇ・・!リヴァイ、あいつ幸せだな」

兵舎の廊下を歩きながらハンジは何度も頷いた。

調査兵団の兵舎は、団長を始めとする分隊長クラスまでの幹部が終結する幹部棟、ハンジなど班長以下の一般兵士が集う棟に分かれており、一般兵の兵舎は更に男女で別れている。

もしかしたら、平服のエルヴィン分隊長に出くわすかもしれないと思ったが、幹部と一般兵は別れていると聞き少しガッカリした自分に焦った。
エルヴィン分隊長が非番かどうかも不明だというのに何を期待したのか。丘で出会ったあの日以来、エルヴィン分隊長の名前を聞くと平常心ではいられなくなる時がある。
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