第3章 特訓とハンジ
「そうかぁ!うーん、エリナと話していると凄く楽しいから又来てよ!」
「はい、今度は壁外の巨人討伐の話でも・・」
言いかけて本の整理をしていたモブリットがハンジの背後で、大きなバツ印を作っているのを目撃し言葉を濁す。
「そりゃ、そりゃぁそりゃぁもう!!!沢山話すことはあるんだよ、まず巨人は・・」
「ストーップ!!次回でお願いします!」
言っておきながらエリナは誓うのだ、次回なんてあったらヤバイ絶対回避しよう・・と。
「うん、うん!また別日に朝から時間とってタップリ話そうね!そうそう、私が研究している薬の話も聞いてくれ、媚薬、睡眠薬は評判なんだ!そのうち人を操る薬・・なんてのも作ったり・・」
「・・それは本当ですか?」
エリナの顔から愛想笑いが消え声のトーンも低くなった。
「本当に、そんな薬作れますか?できるんですね??研究してるんですね?」
真剣みを帯びたその声は、人を操る薬のためならば娼館に身を堕としてでもお金を払いそうだ。そしてなにやら、毒薬がいいが殺人になるのはマズイ・・だの物騒なことを呟いているではないか。
「・・う、うん」
珍しく勢いを削がれたハンジの手をとりエリナは別れを告げた。
「次回・・お会いしましょう」
閉まった扉の中でモブリットは呟く。
「相当、ストレス溜まってるな」