第1章 鮮やかな翡翠に姿を映す
三人の空気が一気に沈みかけていた時。
「リヴァイ!退却だ!」
白馬に乗ったエルヴィン団長が姿を現わす。
退却だと言ったエルヴィン団長にリヴァイ兵長は反論しようとしたが、エルヴィン団長の言葉に顔色を変えた。無論私もだ。
エルヴィン団長が言うには、巨人が街を目指して一気に北上し始めたらしい。
五年前と同じだ。
壁が破壊され巨人が侵入してきたのだ。
そこからの判断は早かった。
急いでトロスト区へ戻り、現状を確認しに行った。
結果としてエルヴィン団長の判断は正しかった。
五年振りに超大型巨人が再び現れ、トロスト区の門に穴が開けられた。そして、そこから多数の巨人が侵入していた。
そして、私の目が正しければ、そこには信じられない光景が広がっていた。
巨人が巨大な岩を持って門の穴に向かって進んでいたのだ。
「兵長、あれは…?」
「今はごちゃごちゃ言ってる暇はねぇ!一刻も早くあそこに向かうぞ!」
「はい!」
アンカーを刺しては、ガスを吹かし、刺しては、吹かしを高速で繰り返す。
すると、ゴォォォッ!という轟音が聞こえ、その直後に、作戦成功を示す黄色の煙弾が確認された。