第3章 創り上げられる信頼
せっかく私に向けてくれている気持ちを踏みにじっているのだから。
「俺の気持ちは嘘だって言いたいんですか…?」
違う。そうじゃない。
でも、私なんかを好きになっても良いことなんて一つもないから。
「…うん。きっとそうだよ。そうじゃないと、
……エレンまで穢れることになるから。」
最後はほとんど独り言のように呟いていた。
しばらくの間、二人の間を沈黙が流れる。
…ちゃんと振ってあげることもできないなんて、…失望させちゃったかな。
鼻の奥がツンと痛む。
それと同時に涙が込み上げてきた。
ごめんね、エレン…、と小さく謝って部屋から出ようとドアノブに手を伸ばした時、その手を背後から掴まれた。
「…エレン?」
「どうしてシャーロットさんが俺の気持ちを決めるんですか?」
そう言ってエレンの方へ振り向かせられる。