第3章 創り上げられる信頼
「シャーロットさん…。」
エレンの瞳が熱く潤んでゆらゆらと揺れている。
エレンがじわじわと近付いてきて視界がぼやける。
あと少しで唇が触れ合う。
ーそんな時に思い浮かんだのは、私を穢した男の顔だった。
反射的にエレンの体を突き飛ばす。
エレンは驚いたように目を見開き、シャーロットさん…?と確かめるように名前を呼んだ。
「あっ…、ごめん、なさい…。」
謝る声が震える。
ダメだ。こんなことしちゃ。
エレンは純粋に想ってくれているだけなのに。
それなのに、私の口からはエレンの気持ちを否定するような言葉が止まらない。
「エレン。その気持ちはとても嬉しいけど、…多分、それは錯覚だから。」
「錯覚…?」
「そう。私を仲間だと認識した気持ちを間違えて好きだと勘違いしちゃったんだよ。
……そう、絶対そうだよ。じゃなきゃ、私を好きになんてなるわけない。」
とてもじゃないけどエレンの目を見ることができない。
けど、エレンを傷つけていることは分かった。