第3章 創り上げられる信頼
しばらく抱き締められたままでいる。
トクトクと聞こえてくるエレンの鼓動の音。
それを聞いていると徐々に羞恥心が込み上げてきた。
「エレン、そろそろ離してもらえたり…、」
「シャーロットさん。」
「は、はい。」
私の言葉に被せるように耳元で名前を呼ばれる。
その声がいつもよりすごく熱っぽくて、少し体が震える。
「本音ついでにもう一つ聞いて欲しいことがあります。」
「な、なに…?」
少し体が離され、頬に手が添えられる。
宝石のような翡翠色の瞳に捕まえられて身動きができない。
「シャーロットさん、俺…。」
エレンに触れられている部分がやけに熱く感じる。
「シャーロットさんのことが好きです。」
顔に息がかかるほどの距離で伝えられた言葉は、私の心を動かすには十分過ぎるほどだった。