第3章 創り上げられる信頼
「ねぇ、エレン。私達のことまだ完全に信用することは難しいかもしれない。
けど、確かに言えることは、私達は貴方の事を信頼している。
少しずつでもいい。貴方が辛いとき、悲しいとき、私達が居ることを忘れないで。」
私がそう言うと、握られている手に力が込められる。
そして、そのまま引き寄せられ、体がすっぽりとエレンの腕に閉じ込められる。
「エ、エレン?」
いきなりのことに驚いて、エレンの腕を掴む。
すると、エレンは、はぁ…と溜息をついた。
「俺、自分が怖いんです。皆んなが言う通り化け物なんじゃないかって。
それで今日の実験で皆んなに刃を向けられた時、あぁ…やっぱり俺は人間じゃないんだって思って…。悲しかった、寂しかった。」
腕の力が強まる。
私はその腕に身を任せるように、静かにエレンの言葉を聞いていた。
「…もう嫌なんです、仲間外れにされるのは。耐えられないんです、化け物扱いされるのは…!」
語尾に力が入ってる。
それだけ想いが込められているってことだ。