第3章 創り上げられる信頼
「お待たせ、皆んな。シャーロット、リヴァイ達を呼んで来てくれる?」
「はい、分かりました。」
皆んなが集まっていた食堂を出て行く。
そのまま地下へと続く階段を降りて行くと、その下にエレンとリヴァイ兵長が話していた。
「リヴァイ兵長、ハンジさんがお呼びです。」
「…あのクソメガネ、待たせやがって…。オイ…行くぞ。」
リヴァイ兵長が階段を上り始めて、エレンが慌ててその後を付いてくる。私は、エレンと並ぶように階段を上った。
エレンは私の方を向いて質問してきた。
「ちなみにシャーロットさんって討伐数どれくらいなんですか?」
「討伐数かぁ。…あんまり覚えてないかな。」
嘘。本当は覚えてる。
でも、平均よりちょっと多いからあんまり言いたくないだけ。
凶暴な女だと思われたくないから。
すると、前を上っていた兵長が急に振り返りこう言った。
「シャーロット・アメル、討伐数68体、討伐補佐12体だ。」
その回答にエレンが、すごっ…、と小さく呟いた。
「ちょっ、ちょっと…!何で言っちゃうんですか!せっかく秘密にしてたのに!!」
「隠すようなことでもねぇだろ。お前の戦闘能力を見れば、いずれバレることだ。」
「それでも隠したいのが乙女の情ってやつです!」
「俺の知ったことか。…オイ、さっさと行くぞ。」
自分で言ってて凄く恥ずかしいけど、やっぱりエレンの前では少しだけでも女の子らしく居たかった…。
って、何言ってんだ、私!
それじゃあ、まるでエレンのことが好きみたいじゃないか…。
あり得ない。それだけはあり得ない。
私が誰かを愛するなんて、経験が無さすぎてどんな感覚かも分からない。
…けど、今私の顔を不思議そうに覗き込んでるエレンに対して自身の鼓動が少しだけ速くなっていることは確かだった。