第3章 創り上げられる信頼
そんな中、一人この場に似合わない声を上げながらハンジさんが走ってきた。
「エレぇン!!その腕、触っていいぃぃぃ!?
ねぇ!?いいよねぇ!?
いいんでしょ!?触るだけだから!!」
「ハンジさん!」
さっきまでの緊迫していた空気が少し解れる。
今なら…。
「エレン!その腕の繋ぎ目、何とか引き剥がせる!?できるなら、今すぐその巨人から離れて!!」
「は、はい!……んんんんんん!!」
グググッと力を入れて踏ん張りながら、腕を引っ張るエレン。
するとオルオさんが、妙なことをするな!!と再び剣を構える。
だが、程なくしてブチっと音を立てた繋ぎ目は、やっとエレンと離れた。
凄い力で引っ張っていたから、その反動でエレンの体が地面に転がる。
ハンジさんは凄く残念そうに嘆いていたが、エレンの気持ちを考えると一刻も早く巨人から離すべきだった。
すぐにエレンのそばに駆け寄り背中を摩る。
すると、兵長もそばに歩み寄り、気分はどうだ?と問い掛ける。
「あまり…良くありません。」
エレンは悲しそうな声で言った。