第1章 鮮やかな翡翠に姿を映す
左前方に12m級が二体。
後方にも一体の巨人が迫っている。
普通なら進行方向を変えてなるべく戦闘は避けるが、まだ市街地を抜けていないため障害になる巨人は排除しなければならない。
「兵長、行きます。」
「あぁ、取りこぼすなよ。」
「分かってます。」
アンカーを巨人のいる向かい側の屋根に刺し、そのまま飛び上がる。
その勢いのままガスを吹かし、途中にいる巨人の頸を削ぎ落とす。
ふらりと重力に従って倒れていった巨人が蒸発し始めるのを見届けた後、もう一体の巨人の始末に向かう。
足首にアンカーを打ち込み足の腱を切り裂いて、バランスを崩した巨人の頸を搔き切ると、だらしなく口を開けたまま蒸発を始めた。
「急がなきゃ…。」
無事二体の巨人の討伐を終えたので、急いでリヴァイ兵長達が進んだ方向へとアンカーを飛ばす。
二軒の家を飛び継いだ時、リヴァイ兵長達の姿が見えた。
ペトラさんが私の馬の手綱を引いてくれていたので、それに目掛けて着地することができた。
「ペトラさん、ありがとうございます。」
「いいのよ!シャーロットもお疲れ様!」
そう言って笑顔を見せてくれるペトラさん。
私もそれに対して笑顔で頷いた。