第1章 鮮やかな翡翠に姿を映す
いよいよ開門が迫り、ウォール・ローゼの門がゴゴゴゴッと音を立てて上がっていく。
やはり何回経験してもこの瞬間は特別だ。
恐怖と緊張で身体が少し固くなる。
息を大きく吸って、吐いて。
程よく脱力した身体は良い緊張感を与えてくれる。
限界まで上がった門からは強い風が舞い込み、兵士達の外套を揺さぶった。
「これより壁外調査を開始する!前進せよ!!」
エルヴィン団長の叫喚を合図に、一斉に馬の腹を蹴り壁外へ駆け出す。
リヴァイ兵長の後ろを保ちながら一定の速度で走っていくと、早速巨人が姿を現わす。だが、まだ此方に意識は向いていないようなので無視して進んでいく。