第3章 創り上げられる信頼
「うっ…!」
やはり、まだ手が痛むのだろう。
エレンは顔を顰めながら掴んでいたティースプーンを落としてしまった。
「大丈夫か?」
「ええ…。」
エルドさんが心配そうに声を掛け、エレンがそれに答える。
そして、エレンが腰を曲げティースプーンを拾おうとする。
その時だった。
ドォォォォォ!!!
すぐ隣で耳が割れるような爆音が鳴ったかと思えば、机諸共体が吹っ飛ばされた。
すぐに体勢を立て直して先程までエレンがいた場所を見ると、白い蒸気のような煙が上がっている。
その煙が段々と薄くなったところで見えてきたのは、骨や筋肉が剥き出しの巨人とその巨人の上に乗っているエレン。
そして、そのエレンに対して刃を向けているリヴァイ班の皆んなだった。