第3章 創り上げられる信頼
そんな私の想いが少しでも伝わるようにと、エレンをそっと抱き締める。
おかしいな、普段の私なら男の人にこんな事絶対しないのに。
エレンが自分と同じ班に配属された仲間だからだろうか。
エレンは戸惑ったような声を出して、遠慮がちに私の腕に手を添える。
「あ、あの、シャーロットさん…?」
「ごめんね、エレン。
私、ほんとにエレンの為に何もしてあげられない。…だけど、話を聞くくらいならいつでも出来るから。
こうやって抱き締めることも。
…だから、一人で抱え込まずに、少しでもいいから私達を頼ってね。
私じゃ頼りないかもしれないけど。」
腕の中に感じる熱に、自分はなんて大胆なことをしているんだろうと急に心臓が鼓動を速める。
エレンの顔は私の胸元にあるわけだから、この心音も丸聞こえだろう。
そう考えたら、余計に顔に熱が集まったが、エレンはわざわざ言葉にするような野暮なことはしなかった。
その代わりに、たった一言。
ありがとうございます。
そう言ってくれた。