第1章 鮮やかな翡翠に姿を映す
ーーー850年
本日決行される壁外調査。
目的は五年前に奪われたウォール・マリア奪還の為の順路を作成すること。
エルヴィン団長を先頭にリヴァイ兵長、ハンジさんなどの幹部が列を作る。私も自分の所属する班の班長であるリヴァイ兵長の右後方に付き、開門を待つ。
「来たぞ!!調査兵団の主力部隊だ!!」
我々調査兵団は巨人を恐れず壁外への進出を試みる者として様々な声援を受ける。特にエルヴィン団長やリヴァイ兵長クラスになると名指しでその声を受けることも多々ある。
今回はまだ幼さが残る青年達から歓声を受けながら尊敬の眼差しで見つめられていた。
「ふふっ、熱烈ですね。」
「あぁ?うるせぇ、揶揄ってんじゃねぇよ。」
「揶揄ってなんかないですよ。」
リヴァイ兵長にそう告げると頭を小突かれる。
地味に痛かったが、照れ隠しとして受け取ることにした。